当社は毎週日本から中古車を輸出していますが、香港は最も手続きがスムーズな仕向地のひとつです。日本と同じ右ハンドル・左側通行で、航海日数は短く、年式制限もありません。採算を左右する唯一にして最大の要素が「初回登録税(First Registration Tax、FRT)」です。入札前にこの計算さえ正しく行えば、残りのプロセスは驚くほどシンプルです。本稿では、当社が実際に行っている香港向け輸出の実務と、初めてのお客様に必ずお伝えしている注意点をまとめます。
なぜ香港のバイヤーは日本から直接仕入れるのか#
香港は日本と同じ左側通行のため、日本のオークションで落札した右ハンドル車をそのまま登録でき、ハンドル移設や適合改造は不要です。加えて、年式のわりに走行距離が少ない、整備記録が残っている、オークション評価票で購入前に車両状態を客観的に確認できる——といった日本国内市場ならではの利点をそのまま享受できます。さらに日本〜香港間は当社の取扱航路の中でも最短クラスで、遠洋輸送というより近海輸送に近い感覚です。オークション落札から船積み、通関、登録までのリードタイムは当社の仕向地の中でも屈指の短さです。プレミアムJDM(日本国内仕様車)への根強い愛好家文化もあり、需要が途切れることはほとんどありません。
年式制限なし——ただし初回登録税(FRT)に要注意#
多くの右ハンドル市場と異なり、香港には自家用車の輸入に年式制限がありません。新車同然のアルファードでも、1990年代のクラシックでも合法的に輸入できます。その代わり、すべての購入判断を左右するのがFRTです。香港で初めて車両を登録する際に課税され、課税価格に対して累進的に税率が上がる仕組みで、高額車両では税額が車両価格自体を上回るケースもあります。入札前に必ず香港運輸署または現地の登録代理店に最新の税率区分を確認し、「相場の平均」ではなく「その車両」で試算してください。長年の経験から申し上げる鉄則は、FRTを試算してから上限入札額を決めること。オークションでの割安感は、税率区分次第で簡単に消えてしまいます。
香港で売れている車種#
当社の香港向け受注は、長年にわたり次の3セグメントに集中しています。
| セグメント | 代表車種 | 売れる理由 |
|---|---|---|
| 高級ミニバン | トヨタ アルファード、ヴェルファイア | 香港のビジネス・ファミリー送迎の定番。高グレード・低走行車への需要が非常に強い |
| 商用バン | トヨタ ハイエース | 現地物流・建設業の主力。リセールバリューが落ちにくい |
| プレミアムJDM | スカイラインGT-R、スープラ、NSX 等 | 年式制限がないため、本格的なコレクター市場が成立 |
転売目的であれば、走行距離が確認できる高グレードのアルファード/ヴェルファイアが最も流動性の高い在庫です。ご自身用であれば、年式制限のなさは他の右ハンドル市場にはない選択肢を開いてくれます。
香港港への海上輸送#
香港港へはRoRo船またはコンテナで輸送します。標準的な車両にはコスト面で有利なRoRoを、プレミアムJDMやコレクターズカーには物理的な保護に優れるコンテナをお勧めしています。日本の主要港からの航海日数は短く、船社とスケジュールにもよりますが概ね1〜2週間程度です。海上保険は車両価値に比して安価であり、特に高額車両では必須とお考えください。複数台を購入されるディーラー様は、コンテナの混載で1台あたりの運賃を圧縮できます。
必要書類と手続きの流れ#
- 車両選定と入札 — 当社が車両とオークション評価票を確認し、上限額を合意のうえ代理入札します。
- お支払い — 当社法人口座への銀行送金でお支払いいただきます(後述の安全性の項をご参照ください)。
- 抹消登録と輸出手続き — 日本で抹消登録を行い、輸出抹消仮登録証明書を取得・翻訳します。
- 船腹予約と船荷証券 — 本船を予約し、B/L・インボイス・証明書一式をお送りします。
- 到着と輸入申告 — 到着後、所定の期限内に香港税関へ輸入申告が必要です。期限と手続きは現地通関代理店にご確認ください。
- 車両検査と初回登録 — 登録前検査に合格後、FRTを納付し、香港ナンバーを取得します。
5〜6の手続きは現地の通関・登録代理店に委託するのが一般的です。当社の取引実績のあるパートナーのご紹介も可能です。
総コストの内訳#
| 費用項目 | 支払先 | 備考 |
|---|---|---|
| 車両FOB価格 | 輸出者 | 落札価格+手数料(入札前に合意) |
| 海上運賃 | 輸出者(CIFに含む) | RoRoまたはコンテナ |
| 海上保険 | 輸出者(CIFに含む) | 強く推奨 |
| 輸出前検査 | 輸出者 | ご希望の場合 |
| 輸入申告費用 | 香港側 | 最新の料率をご確認ください |
| 初回登録税(FRT) | 香港側 | 最大の変動要素。入札前に必ず確認 |
| 登録・ライセンス費用 | 香港側 | 最新の料率をご確認ください |
当社のお見積りはCIF香港までをカバーします。香港側の費用は現地精算となるため、FRTの試算は「船が出た後」ではなく「入札の前」に行うことを徹底しています。
お支払いの安全性について#
当社がお受けするのは、会社名義の法人口座への銀行送金のみです。暗号資産、個人口座、チャットアプリ経由の送金指示は一切ありません。日本の輸出業者を名乗る相手がこれら以外の方法を求めてきた場合は、取引を中止してください。正規の取引の流れはお支払いガイドをご覧ください。
よくあるご質問#
香港への輸入に年式制限はありますか?#
自家用車には年式制限がありません。これは右ハンドル市場では珍しい制度です。実務上の制約は課税価格ベースのFRTであり、最新の税率区分を購入前に必ずご確認ください。
日本から香港までの輸送日数は?#
航海自体はスケジュールにより概ね1〜2週間です。落札、抹消登録、輸出書類、香港側通関を含めると、多くのお客様は落札から数週間でナンバー取得まで完了しています。
RoRoとコンテナ、どちらを選ぶべきですか?#
標準的な車両はRoRoが経済的です。プレミアムJDMやコレクターズカーは、海上保険を付けたコンテナ輸送をお勧めします。車両価値に対して追加コストはわずかです。
お見積りはこちら#
香港向け輸出ページでCIF概算をご確認いただけます。販売在庫をご覧のうえ、無料見積りをご依頼いただければ、ご希望の車両の総コストを個別にご案内します。




