当社ではほぼ毎週、横浜港からサウサンプトン向けの車両を船積みしています。英国は当社の仕向地の中でも特に手続きが分かりやすい市場です。ハンドル位置は日本と同じ左側通行・右ハンドル、ハイエースやR34の価値を熟知したバイヤー層、そして手順さえ正しく踏めば十分に対応可能な登録制度。2026年時点での、オークション会場から英国ナンバー取得までの流れをまとめます。
英国が最も輸出しやすい市場である理由#
日本と英国はどちらも左側通行です。このひとつの事実だけで、欧州大陸や中東のバイヤーが負担する最大のコスト——ステアリング換装、ヘッドライト光軸の変更、転売時の「逆ハンドル値引き」——がすべて不要になります。日本車はサウサンプトンで船を降りた瞬間から、設計どおりの姿で走れるのです。
さらに、英国のバイヤーは良質な在庫を最優先で選べます。程度の良いアルファード、低走行のハイエース、無改造のスポーツモデル——いずれも左側通行用に作られた車であり、改造なしで受け入れられる数少ない市場が英国です。
費用:関税・VAT・本当の「上陸コスト」#
到着時に関わる税金は主に2つです。
| 費目 | 一般的な課税基準 |
|---|---|
| 関税 | 乗用車でCIF価格の約10% |
| 輸入VAT | 20%(CIF価格+関税額に対して課税) |
簡単な例で計算しましょう。CIF価格£10,000の車なら関税が約£1,000、その合計£11,000に20%のVATで£2,200。登録費用を除いて約£13,200が目安です(現行の標準税率ベース)。税率や品目分類は変更されることがあるため、購入を確定する前に必ずHMRC(英国歳入関税庁)または通関業者に最新の税率をご確認ください。
見落としがちなのは、VATが車両価格だけでなく運賃・保険料にも課税される点です。当社が最初からCIF建てで見積もるのはこのためです。
書類手続きは「正しい順番」で#
以下の順番どおりに進めれば、手続きは拍子抜けするほど淡々と終わります。
- HMRCへのNOVA申告。 車両到着後、速やかにNOVAシステムで申告します(執筆時点の期限は到着後14日以内。最新の要件をご確認ください)。NOVA参照番号がなければDVLAは登録を受け付けません。初めての輸入者が最も見落とすステップです。
- 関税・VATの納付。 通常は港の通関業者が代行します。
- 必要な車両はIVA検査(後述)。
- MOT検査(初度登録から3年超の車両)。ナンバー取得前は車台番号で予約します。
- DVLAへの新規登録。 V55/5様式に輸出抹消証明書とその英訳、インボイス、NOVA参照番号を添えて提出すれば、ナンバーが交付されます。
当社は全車両に輸出抹消証明書・認証済み英訳・船荷証券(B/L)・コマーシャルインボイスを添付します。この4点でDVLAと通関業者の要求書類はカバーできます。
IVA検査が必要になる車両#
IVA(個別車両認可)は英国の1台単位の適合性検査で、要否は車両の年式と区分で決まります。大まかには、年式の古い車両は経過年数による免除を受けやすく、高年式の輸入車ほど検査対象になりやすい傾向です。軽トラックは独自のカテゴリーで比較的スムーズですが、制度は変わり得ます。対象モデル・年式についてはDVSAの最新ガイダンスをご確認いただくか、当社にお尋ねください。人気モデルの多くは輸出実績があり、過去の購入者が実際に踏んだ手順をお伝えできます。
2026年、英国で実際に売れている車種#
英国のバイヤーからのリピート注文には明確な傾向があります。
| 車種 | 購入層 |
|---|---|
| トヨタ ハイエース | キャンパー架装業者・職人・バンライフ層。程度の良いハイルーフディーゼルが最速で動きます |
| トヨタ アルファード/ヴェルファイア | ハイヤー事業者と大家族。英国には国産のラグジュアリーミニバンが存在しません |
| 軽トラック(キャリイ・ハイゼット・アクティ) | 小規模農場・地所・イベント会場 |
| スポーツJDM(スカイライン・スープラ・RX-7・タイプR) | 愛好家・コレクター。無改造の素性の良い個体がプレミアム価格になります |
現在の在庫はこちらからご覧いただけます。
サウサンプトンへの輸送#
英国向けはRoRo船が主流です。最も安価で便数も多く、自走できる車両なら問題ありません。高額なスポーツカーや、2〜4台をまとめて1本のコンテナに積む場合はコンテナ輸送が有利で、英国のディーラー顧客の多くがこの方法です。輸送日数は航路と船社のスケジュール次第のため、ブッキング時に実際の本船スケジュールを確定してお知らせします。CIF概算を含む詳細はサウサンプトン仕向地ページをご覧ください。
お支払いについて#
当社のお支払い方法は、日本の法人口座への銀行送金のみです。暗号資産・個人口座・チャット経由の決済リンクは一切使用しません。これらを求める「日本車輸出業者」がいたら取引を中止してください。請求のタイミングと流れはお支払いページに記載しています。
よくある質問#
安い車でも英国のVATはかかりますか?#
かかります。輸入VATは車両価格にかかわらず、CIF+関税額を基準に課税されます。自動車で使える少額免税の仕組みは実質ありません。
サウサンプトン港から自走で持ち帰れますか?#
日本のナンバーのままでは走行できません。NOVA申告、関税・VAT納付、必要に応じたIVA・MOT、DVLA登録が先です。港から自宅までは積載車を使う方が大半です。
全工程でどのくらいかかりますか?#
当社の経験では、落札から英国登録まで2〜3か月が標準で、大半は海上輸送期間です。上記の順番を守れば書類で遅れることはほとんどありません。
机上の計算ではなく、具体的な車両の上陸コストを知りたい方は、見積もりページから車種とご予算をお送りください。FOB価格、サウサンプトンまでの運賃、そしてその車が輸出に値するかどうかの率直な意見をお返しします。



